1.自己肯定感とは?
自己肯定感とは、簡単に言えば「自分はそのままで良い」と思える気持ちのことです
たとえあなたが完璧でなくても、「今の自分でいいんだ」と受け入れる感覚です
そもそも、完璧な人なんていませんが、自己肯定感が低いと、完璧を目指そうとしたりします
自分が優れていると思う気持ち、自分が劣っていると思う気持ちは、自己肯定感が関係しています
たとえば、「失敗しても自分には価値がある」と思えることや、「自分は誰かに愛される存在だ」と感じることが、自己肯定感の一例です
自己肯定感が高い人の思考パターン
自己肯定感が高い人はどの様な物の考え方をしているのか、という例です
自己肯定感が高い人は、ポジティブな自己認識や柔軟な思考が特徴であり、無理をせずに自分を受け入れながらも前向きに生きています
・失敗は成長のチャンスと考える
「ミスは学びにつながる」「訓練すれば次はもっと良くできる」と前向きに捉える
・自分の強みや長所に意識を向ける
「自分にはこんな得意なことがある」と自分の良い面を積極的に認識する
・人と自分を無理に比較しない
「他人は他人、自分は自分」と自分のペースを大切にする
・不完全な自分を受け入れる
「完璧じゃなくても自分は自分で価値がある」と考え、欠点も自然に受け入れる
・小さな成功を喜ぶ
「今日はここまでできて良かった」と日々の達成感を感じられる
・分の感情を尊重する
「今の自分はこう感じている」と素直に感情を認める
・他人の評価に振り回されない
「自分の価値は自分で決める」と外部の評価に依存しない
・断るべきことを断る
「無理なものは無理と伝えよう」と、自分を大切にする行動を取る
・他人の成功を素直に祝福できる
「あの人も頑張ってるんだな」と他人を妬まず、良い刺激を受ける
・未来への希望を持つ
「きっとこれからもっと良くなる」と将来に対して前向きに考える
・困難な状況でも柔軟に対応する
「こうなったなら、どう乗り越えようか」と冷静に対処策を考える
・自分の意見や意思を大切にする
「自分の考えも相手の考えと同じくらい大切」と自分を尊重する
・サポートを求めることを恥じない
「助けが必要な時は頼っていい」と他人の支えを受け入れる
・過去の失敗にとらわれない
「過去は過去、今できることに集中しよう」と切り替えが早い
・健康的な自己管理を心がける
「自分の心と体を整えるのも大切」とバランスの良い生活を意識する
・自己成長を楽しむ
「今の自分より少しでも成長できたら嬉しい」と日々の進歩を喜ぶ
・多様な価値観を受け入れる
「色んな考え方があっていい」と自分や他人を柔軟に理解する
・今この瞬間を楽しむ
「今の時間を大切にしよう」と目の前の出来事を味わう
・失敗しても自分を責めない
「人間だから失敗することもある」と自分に優しく接する
・自分の幸せを自分で作ると考える
「自分の幸せは自分で見つけるもの」と主体的に生きる
自己肯定感が低い人の思考パターン
自己肯定感が低い人の思考は、否定的な自己認識や自己批判が多く、自分に厳しすぎる傾向があります
例えば次のような思考が見られます
・失敗を成長のチャンスと捉えない
「自分はやっぱりダメだ」と失敗を自己価値の否定と考える
・自分の強みを見つけにくい
「自分には特に得意なことがない」と自己評価が低い
・人と自分を常に比較してしまう
「他の人に比べて劣っている」と感じがちで、自分の価値が低く感じられる
・完璧を目指してしまう
「完璧じゃないとダメだ」と考え、不完全な自分を受け入れられない
・小さな成功を認められない
「これくらい当たり前」と達成を軽視し、喜びが少ない
・自分の感情を押し殺す
「こんなことで悩んじゃいけない」と感情を無視しがち
・他人の評価に依存する
「周りの評価が全て」と、外部からの評価に敏感で振り回される
・断ることに罪悪感を感じる
「断ったら嫌われるかも」と自分の意志を貫けない
・他人の成功に嫉妬する
「あの人が羨ましい」と自分にないものばかりを気にしてしまう
・未来に対して希望が持てない
「どうせ良くならない」とネガティブな未来を想像してしまう
・困難に柔軟に対応できない
「もうダメだ」と気持ちが追い詰められてしまう
・自己主張が難しい
「自分の意見は迷惑かも」と自分の意見を引っ込めがち
・サポートを求めるのをためらう
「自分で何とかしないと」と他人を頼れない
・過去の失敗を引きずりがち
「また失敗するかも」と過去のことに囚われる
・健康的な自己管理が難しい
「忙しいから」と無理な生活習慣を続けてしまう
・自己成長に対して喜びがない
「こんなことで喜ぶのは変」と自分の成長を認めにくい
・価値観の多様性を認めにくい
「自分と違う考えは変だ」と柔軟な理解が難しい
・今を楽しめない
「今の自分に満足できない」と目の前の楽しさを感じにくい
・失敗に対して厳しい自己批判をする
「何でこんなミスをしたんだ」と自分を厳しく責める
・自分の幸せを他人任せにしがち
「誰かが自分を幸せにしてくれるはず」と主体性が持てない
2.似た言葉との違い
自己肯定感は、「自分自身にOKを出す感覚」です
他にも似た言葉があるので、いくつか紹介します
・自己効力感
「自分にはできる」と思える気持ちです
たとえば、「この仕事を自分ならきっとできる」と感じることです
・自己価値感
「自分には価値がある」と思う気持ちで、成功や周囲からの評価に影響を受けやすいです
・セルフ・コンパッション
失敗しても「まあ、こういう時もあるよね」と、自分に優しくすることを言います
3.自己肯定感が大切な理由
自己肯定感が高いと、生活が楽になり、ストレスにも強くなります
たとえば、こんな場面で役立ちます
・ストレスを減らす
「失敗しても大丈夫」と思えると、過度に自分を追い詰めなくなります
・人間関係が良くなる
自分を好きになれると、他人とも良い関係が築きやすくなります
相手をありのまま受け入れやすくなるからです
・新しいことに挑戦できる
自己肯定感があると、失敗を恐れずに挑戦する力が生まれます
4.自己肯定感はどうやって育つ?
自己肯定感は、家庭や学校などの経験を通じて育ちます
・幼少期の経験
子どもの頃に「そのままの君でいいよ」と言ってもらえると、自己肯定感が高まります
・失敗の経験
成功だけでなく、失敗しても「また頑張ろう」と思える経験です
・周りからの言葉
過度な期待や批判を受け続けると、自己肯定感が低くなることもあります
一方で、ポジティブな言葉をもらうと、自分を肯定しやすくなります
5.自己肯定感を下げる方法
下記は、自己肯定感を下げる行動リストです
以下のような行動や考え方を繰り返すと、自己肯定感が低下しやすくなります
・他人と自分を過度に比較する
他人の成功や生活と自分を比べ、「自分は劣っている」と感じる
・完璧主義に陥る
些細な失敗も許せず、自分に厳しすぎる基準を課す
・ネガティブな自己対話
「自分なんてダメだ」「どうせうまくいかない」と否定的な言葉を自分にかける
・他人の評価に依存する
周囲の評価がないと自分の価値を感じられず、批判に過敏になる
・自分の感情を無視する
「こんなことで落ち込んじゃいけない」と自分の気持ちを押し込める
・断ることができない
無理をして他人の期待に応えようとし、自分を犠牲にする
・小さな成功を無視する
自分の努力や成果を過小評価し、「こんなの当たり前」と片付ける
・否定的な環境に身を置く
批判的な人間関係やストレスの多い環境にいることで、自信を削られる
・過去の失敗をいつまでも引きずる=反すう思考
「あの時の自分はダメだった」と後悔し続け、前向きになれない
特に精神疾患だと反すう思考になりやすい
・不健康な生活習慣
睡眠不足や運動不足、栄養バランスの乱れで心身が疲弊し、ポジティブな思考ができなくなる
身体に悪い食べ物を食べていれば、誰でもネガティブな思考になります
・他人の期待に応え続ける
自分の本心よりも他人の期待を優先し、自分を見失う
・「どうせ自分には無理」と思い込む
チャレンジする前に諦めてしまい、自己成長の機会を失う
あなたがには何ができて、何ができないのかを把握していない為、「自分にはできない」と諦めやすい
・人の助けを求めない
相談やサポートを拒否し、全てを自分一人で抱え込む
・自分の意見を主張しない
相手に遠慮して自分の考えを押し殺し、存在感が薄れる
・過度なSNSの使用
他人の投稿を見て、自分の生活がつまらなく感じる
これらの行動を意識して減らしていくことで、少しずつ自己肯定感を取り戻すことができます
6.自己肯定感を高めるには
自己肯定感は、今からでも高めていくことができます
・自分に優しくする
失敗しても「大丈夫」と言い聞かせましょう
「失敗してはいけない」と思っているのは、あなたがあなた自身に厳しいと言えます
・小さな成功を積み重ねる
たとえば、毎日決まった時間に起きる、簡単な家事をこなすなど、小さな成功を重ねることで自信がつきます
今はまだ、あなたは小さな成功を認識できない状態かと思います
小さな成功ができているという事を見つけられるようになりましょう
・他人と比べない
他人と比べるのではなく、「昨日の自分」と比べて成長を感じましょう
他人と比べるのは、あまり意味がありません
・ポジティブな言葉を使う
「自分には無理だ」と思う時でも、「まずはやってみよう」と少しずつ前向きな言葉を使うと、気持ちが変わっていきます
「まずはやってみよう」という言葉は、前向きでポジティブな言葉です
「自分には無理だ」という言葉は、後ろ向きでネガティブな言葉です
7.まとめ
「自己肯定感」は、心の健康を支える大切な力です
「完璧でなくても、自分はそのままでいい」と思えるようになると、毎日の生活が少しずつ楽になります
たとえ今は、自己肯定感が低くても大丈夫です
自己肯定感が低いままで幸せになる事は難しいですが、
小さなステップを踏みながら、自分を好きになる練習をしていきましょう
うつ病や適応障害など、精神的な不調がある場合でも、焦らずにゆっくりと取り組みましょう
無理をせず、「自分を少しずつ受け入れる」ことから始めてみてください
周りの人にも協力をお願いしながら、一歩ずつ前に進んでいきましょう