今回ご紹介する本はこちら↓
身体のケガの応急手当については何度か教わりますが、
心の傷の応急手当については、教わる機会がありません。
心にも応急手当が必要だという本です。
著者はガイ・ウィンチさんという、ニューヨーク大学の臨床心理士のかたで、
心理学の博士号を取得しており、
20年以上にわたって心理療法を実践しています。
日本では「セラピスト」という言葉のイメージは、
アロママッサージ師のような感じがしてしまいますが、
今回はそういった意味ではありません。
TEDTalkでは「感情にも応急手当が必要」という動画が1000万回ほど再生され、
とても人気なかたです。
動画はこちら「感情にも応急手当が必要」
７つの心の傷
本書では、
多くのかたに共通する、
あるいは遭遇するであろう心の傷として７つを取り上げ、
その応急手当を章としています。
そしてこれらは全て、科学的な実験によって効果が実証されています。
・目次
体の不調は手当てするのに、なぜ心の不調を放置するのか？
第１章 自分を受け入れてもらえなかったとき―失恋、いじめ、拒絶体験
第２章 誰ともつながっていないと感じるとき―孤独
第３章 大切なものを失ったとき―喪失、トラウマ
第４章 自分が許せなくなったとき―罪悪感
第５章 悩みが頭から離れないとき―とらわれ、抑うつ的反芻
第６章 何もうまくいかないとき―失敗、挫折
第７章 自分が嫌いになってしまったとき―自信のなさ、自己肯定感の低下
なんでもポジティブに考える訓練、ポジティブなことに変換する訓練もありますが、
これについては、
悩んでいるとき、不安な気持ちが大きい時には見ただけで嫌になるかと思いますので、
他の方法について、一部ご紹介します。
拒絶された場合の応急手当
1：否定の否定
(1)思いつく否定的なこと書き出す
(2)それを否定すること（反論）を最低３つ書き出す。
(3) (1)の否定的なことを思いついたら、(2)の３つの反論を復唱する
マイナス思考になっているかた、普段からマイナス思考になりがちなかたほど、
うまくできるのではないでしょうか。
応急手当と言いつつ、ちょっと時間かかりますね。
それほど人の心は複雑で、
応急手当が大切ということでしょうか。
2：つながりの感覚を思い出す
悩みを相談できるような友人と話すと心が落ち着く、元気が出る場合、
その代わりとして、
友人の写真を見るようにすると、
メンタルが落ち着きやすくなります。
不安が大きい時は孤独感が強くなりますし、
孤独感が大きいと不安も大きくなりますので、
人とのつながりを取り戻すと不安感に大きな効果があります。
人とのつながりを取り戻す必要があるので、
有名人の写真より、親しい人の写真のほうが効果があります。
「そんな友達なんかいない」「自分は孤独だ」いうかたもいるかと思いますが、
現代では本当に孤独になるのはとても難しいので、
ほとんどのかたが孤独ではないです。
twitterなどのSNSや、ネット上でつぶやいたりしているかと思います。
いいねをよく押してくれる仲間がいて、
いいねがくると元気がでるのであれば、
そのフォロワーのかたのアイコンやリツイート内容をスクショするなどでも、
効果があります。
悩みが頭から離れない場合の応急手当
悩みを抱え、
「自分はだめな人間だ」「何をやっても失敗する」「自分は孤独だ」「どうすればいいかわからない」
などのネガティブな思考をループさせる状態、自分で自分を追い込むようになった状態を、
反芻思考（はんすうしこう）と言い、
この状態になると、
元の悩みの不安の大きさよりも、より大きく悩みを増幅させてしまいます。
(1)ネガティブな出来事を想像する
(2)その視点を後ろに引いていき、遠くから眺める
(3)遠くから眺めたまま、ネガティブな出来事を何度か繰り返し再生させる
例えば、
自分が会社で上司に怒られている姿を頭の中で遠くから眺めていると、
「怒られてはずかしいな」「周りの人に見られるの嫌だな」とか、
感想を思ってしまうと思います。
これについてはなるべく、ただ眺めるだけの観察にするか、実況するようにします。
「自分が怒られている」「周りの人に見られている」といった感じです。
実際に上司に怒られていたとき、
「怒られて恥ずかしい」と思っていたり、「周りの人に見られて嫌だ」と思っていたのであれば、
「怒られて恥ずかしいと思っていた」「周りの人に見られて嫌だと思っていた」と実況することができます。
工夫次第で、うまく活用できます。
どのような方法が効果があるか、
試してみてください。
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