境界性パーソナリティー障害(BPD)とは|BPDの名前の意味や特徴|治療方法

投稿者: | 3月 11, 2025

境界性パーソナリティー障害は、日常生活や仕事でストレスを感じる状態や、逆に、ストレスから感情が不安定になり、日常生活や仕事に支障をきたす状態です

この障害は心理的な苦痛をもたらすだけでなく、日常生活や人間関係にも大きな影響を及ぼすことがあります

『境界性パーソナリティー障害』名称の由来

この症状の呼び方は、

・ボーダーラインパーソナリティー障害
・BPD
・Borderline Personality Disorder

など、いくつかあります

まずはこの名称の意味について、知っておきましょう

◆「境界性」という言葉の意味

「境界性」とは、精神医学において神経症(Neurosis)と精神病(Psychosis)の中間状態、またはそれらの境界に位置する状態を指します

境界性パーソナリティ障害が最初に定義された頃(20世紀初頭)は、患者の症状が神経症(不安や抑うつなど)とも精神病(現実検討能力の障害)とも異なる、曖昧な位置にあると考えられていました

そのため、「境界性」という言葉が使われるようになりました

◆「パーソナリティ障害」とは

「パーソナリティ(人格)」とは、その人特有の思考、感情、行動のパターンを指します

パーソナリティ障害とは、これらのパターンが硬直的で不適応を起こし、本人や周囲に持続的な困難をもたらす状態です

境界性パーソナリティ障害では、特に感情の不安定さや自己イメージの混乱、人間関係の問題が顕著です

◆現在の認識

現代では、「境界性」という言葉が医学的には必ずしも適切でないという議論もあります

理由は以下の通りです

・この障害が「神経症」と「精神病」の境界にあるわけではないことが明らかになった
・「境界性」という表現が誤解を招きやすく、患者が偏見やスティグマに直面することがある

そのため、国や専門家によっては、より適切な名称を模索する動きもあります

『境界性パーソナリティー障害』の主な特徴

境界性パーソナリティ障害は以下のような特徴があります

◆感情の不安定さ

特徴

感情が急激に変化しやすく、1日の中でも感情の起伏が激しい

喜び、怒り、悲しみ、不安などの感情が短時間で切り替わる

トリガー:特に他者からの拒絶や孤独感に敏感で、これが強い怒りや不安を引き起こす

日常への影響

感情の波に翻弄され、自分自身をコントロールするのが難しくなる

他者からは「気分屋」や「感情的すぎる」と見られることがあり、誤解を招きやすい

科学的背景

脳内の感情調整を司る部位(扁桃体)の過活動が報告されています

セロトニンなどの神経伝達物質のバランスが乱れることで感情のコントロールが難しくなると考えられています

感情の不安定さから生じる問題行動の例

感情の不安定さは、「思考と感情が一致しない」「一貫性のない行動」として現れることが多く、本人にとってもコントロールが難しい場合があります
これらの行動は時に奇異に見えるかもしれませんが、根本には強い不安感や孤独感、過去のトラウマが影響していることを考慮する必要があります

プライベートでの例

>感情的な反応のエスカレート

軽い冗談を真剣に受け取り、突然怒り出して相手に攻撃的な発言をする

家族に「今日は外食は無理」と言われただけで、拒絶されたと感じて部屋に閉じこもる

>感情移入の強さ

感動的な映画を見て号泣し、その感情を何時間も引きずる

他人の小さな成功に嫉妬し、「自分なんて何をやってもダメ」と過剰に落ち込む

>爆発的な怒り

スマートフォンのバッテリーが切れただけで、自分を責めて物を投げつける

ペットが物を壊した際に激怒し、その後罪悪感に苛まれる

>突発的な行動

感情が高まったときに突然外出し、行き先も決めずに長時間歩き回る

急に人に会いたくなり、相手の都合を考えずに家を訪れる

>過剰な愛情表現

恋人に対して「あなたがいないと生きていけない」と何度も電話をかけ続ける

一緒にいられない不安から、必要以上に相手にプレゼントを送る

>予期しない涙

家族との何気ない会話中に突然涙を流し、「自分が愛されていない」と思い込む

過去の失敗を急に思い出して泣き出す

仕事での例

>会議中の感情の乱れ

自分の意見が否定されると、急に発言を止めたり、「どうせ誰も私の意見なんて気にしていない」と自暴自棄になる

別の同僚の成功例を聞いて涙ぐむなど、場の空気にそぐわない感情を表に出す

>些細なことで動揺

上司が「少し修正してほしい」と言っただけで、「自分は全然ダメだ」と大きく落ち込む

書類のミスに気づいて過剰に謝罪し、必要以上に自分を責め続ける

>怒りの爆発

同僚に仕事の割り振りを相談する際、相手がすぐに答えられなかっただけで怒り、「自分を軽視している」と感じる

プリンターが故障した際に、周囲に聞こえるように大声で怒りを爆発させる

>感情の揺れに伴う集中力の低下

朝、気分が高揚して作業を進めていたが、午後になると急に虚しさを感じて何も手につかなくなる

他人の些細なミスを見て過剰に動揺し、自分の作業が進まなくなる

>他人への突然の依存

突然、同僚に「一緒にランチに行ってほしい」と頼み、断られると大声で泣き出す

上司に頻繁に確認を求めるなど、必要以上に指示を仰ぐ

>気分に応じた極端な行動

朝の感情が高ぶって急に全員にお菓子を配るが、午後には「誰も感謝してくれない」と怒り出す

部署の懇親会を自ら提案するも、直前になり参加を拒否する

共通の例

>感情の急転による周囲の混乱

笑顔で話していたかと思うと急に不機嫌になり、周囲が戸惑う

感情が高まると、周りにいる人を巻き込んで大騒ぎになる

>感情を抑えられない身体的反応

怒りや悲しみを感じると、手足が震える、声が震えるなど身体的反応を見せる

緊張すると突然声を荒げたり、逆に声が出なくなったりする

>感情に基づいた過剰な自己主張

自分が正しいと感じたときに、それを押し通そうとして強く周囲を批判する

感情が昂ると、理由なく自分の正当性を何度も繰り返す

め、急激な感情のコントロールが難しくなる場合があります

>療法の範囲の制限

音声のみのカウンセリングは、治療における方法やアプローチの幅を制限することがあります
BPDの治療には、認知行動療法(CBT)や弁証法的行動療法(DBT)などが有効とされていますが、これらの治療は非言語的なやり取りや、身体的な存在感の重要性がある場合があります
音声のみの環境では、セラピストが提供できる治療方法や介入の選択肢が限られ、効果が薄れる可能性があります

 

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