FACT FULLNESSは、スウェーデンで国境なき医師団を立ち上げた、
とある医者が書いた本です。
著者は、執筆中に末期がんを宣告され、
最後まで執筆し続けて、
この本を完成させました。
いかに人は思い込みで生き、事実を知らずに生きているか、
それによる被害を受けているかについて、
本の内容を一部だけ解説します。
人は事実よりドラマチックさを優先
人の脳には、
物事をデータで見るのではなく、
ドラマチックに描いたものを真実としてみる習性があります。
例えば貧困に関するドキュメンタリ―番組をみたとき、
データで事実確認をするのではなく、
「世界ではこういった貧困層がたくさんいて、その数はどんどん増えているのだろう」
と勝手に思ってしまします。
本書にはこのようなドラマチックな本能×10個について書いてあります。
著者は、何千人に対し、次のような質問をしていました。
世界中で極度の貧困にある人の割合は過去20年でどうなったか、
次の選択肢から選んでみてください。
1:2倍になった
2:あまり変化なし
3:半分になった
世界中の1歳児で予防接種を受けられている割合は、現在どれぐらいでしょうか。
これも同様に次の選択肢から選んでみてください。
1:5%
2:50%
3:80%
一つ目の貧困についての答えは3で、全人口の10%ほどです。
世界は良い方向へ進んでいます。
二つ目の予防接種についての答えも3で、決して十分ではないですが、
多くの人は、
世界が悪くなっている印象を持っていたのでないでしょうか。
事実ではなく、なんとなくの思い込みで世界を認識しています。
思い込みの被害
メンタルを病んでしまうクライアントさんの傾向として、
思い込みが激しくなるクセがついている、
思い込みを激しくする習慣で生きているかたが多いです。
今起きている不幸が、この先もずっと続くと思っていたり、
新しいことを始めて失敗したら、立ち直れないと思ったりしますよね。
現状維持は衰退なので新しいことに挑戦していく必要があります【LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略】
今に完全に満足しているのであれば読まなくて大丈夫です【恐れるべきは現状維持 チーズはどこへ消えた?】
ニュースを見て、
暗い気持ち、悲しい気持ちになったり、誰かの不倫に怒りを覚えたり、
メンタルに良い影響を与えない心理状況になる生活の中で暮らしています。
これはニュースが悪いものという意味ではなく、
まるで、ニュースで流れていることが多数派であるような捉え方をしたり、
ニュースを見るとダメージを受けてしまうなど、
見る側の受け取り方、ニュースの見方に問題があります。
まとめ
著者が聞いて回った質問の正答率は、10%でした。
多くの人が考えれば考えるほど、不正解へ向かいました。
それは、ノーベル賞を取るような学者であろうと関係ありませんでした。
それほど、人はいかに思い込みで生きやすいか、
それによって損をしているか、
ということを表しています。
思い込みを捨てて、
データを使って正しく世界をみること、
正しく皆さんの状況を把握してください。