モラハラによる被害が増えてきていますが、
まだまだ認識が普及しないモラハラがどのようなものなのかについて、簡単に解説します
普及しない理由についても、その性質にヒントがあるかもしれません
モラハラとは
モラハラとは、モラルハラスメントの略です
ハラスメントの一種で、実は、DVの一種です
モラルハラスメントとは、フランスの精神科医マリー=フランス・イルゴイエンヌが 概念で、「道徳的なハラスメント」を指す言葉です
モラハラは、特に家庭や職場で見られる精神的虐待の一形態として注目されるようになりました
他のハラスメントと異なるのは、モラハラが「精神的な攻撃」を主体とすることです
例えば、暴言、無視、冷たい態度、意図的な無関心、被害者を孤立させる行動などが含まれます
こうした行動が一貫して行われることで、被害者は自尊心を傷つけられ、精神的に追い詰められていきます
DVは「家庭内暴力」ですが、
モラハラが行われるのは、家庭内に限りません
夫婦関係だけではなく、恋人関係や、仕事関係でも、パワハラは起こります
親子であれば親(毒親)から子、夫婦であればパートナーへ、
暴力だけでなく、精神的な苦痛を与えるものです
性別も関係ありません
DVやモラハラは、男性から女性へ行うかの様に感じますが、
女性から男性へ行う暴力もあります
ご自身が受けている被害がモラハラなのかすぐに知りたいかたは、
モラハラチェックリストも合わせてどうぞ
>>モラハラチェックリスト【夫婦間での加害者、被害者の行動について】
>>カウンセラーが語るモラルハラスメント―人生を自分の手に取りもどすためにできること
モラハラの特徴
モラハラにはいくつかの特徴があり、これが見分けるための手がかりとなります
以下に、代表的なモラハラの特徴を紹介します
1. 直接的でない攻撃
モラハラの加害者は、直接的な暴言や暴力を行わず、周りくどい言い方や態度で相手を傷つけます
そのため、加害者の言動が「嫌がらせ」に見えないことも多いです
たとえば、皮肉を言う、冷たい態度を取る、意図的に無視するなどが挙げられます
周りの人から見たら、ジョークの様に見える事もあります
2. 継続的かつ巧妙
モラハラは一時的なものではなく、継続して行われるのが特徴です
短期間であれば被害者も「たまたま」と捉えることができるかもしれませんが、長期的に続くことで心身に影響を及ぼします
3. 周囲に分かりにくい
モラハラは言葉や態度による攻撃が主であるため、周囲からは見えにくい場合が多いです
職場でのモラハラの場合、表向きは仲良く見える関係でも、実際には精神的な圧力をかけられているケースも少なくありません
モラハラによる洗脳
モラルハラスメント(モラハラ)は、心理的な虐待や操作を通じて、他者を支配したり支配下に置く行為です
このハラスメントは、外からは見えにくいものの、継続的に行われることで被害者の自尊心や判断力に深刻なダメージを与え、心理的な「洗脳」にもつながるとされています
1. モラハラによる洗脳の仕組み
モラハラは、言葉や態度、行動などを通して被害者の心理を長期間にわたって揺さぶり続けることで行われます
例えば、些細なミスを執拗に指摘したり、否定的な発言を繰り返すことで、被害者に「自分は価値がない」「自分は間違っている」という考えを植え付けます
このような行為は、心理的に被害者の判断力や自信を奪い、相手が示す評価や意見が唯一の「正解」であるかのように信じ込ませることで、被害者を操作しやすい状態に導くのです
2. 被害者の思考パターンを変える手法
モラハラ加害者は、被害者が自らの意思で行動し、考える力を徐々に奪っていくことを目的としています
そのために、いくつかの手法が取られます
例えば、加害者は褒めるときと批判するときの落差を大きくし、被害者が加害者の気分や反応に依存するよう仕向けます
加害者に認められることで喜びを感じ、反対に批判されると「自分はダメなのかもしれない」と感じるようになります
これにより、被害者は「加害者の評価こそが真実」という思い込みを持ちやすくなり、自分の判断よりも加害者の意見に頼るようになっていくのです
また、「ガスライティング」と呼ばれる手法も洗脳の一部です
これは、事実を歪めて伝えたり、被害者の記憶や認識を否定することで、被害者の判断力を失わせ、現実の見方を加害者の都合の良いように変えさせるものです
ガスライティングが行われると、被害者は次第に「自分の記憶や感じ方は信用できない」と感じるようになり、加害者の言うことを無条件に信じるようになってしまいます
3. 洗脳による心理的な影響
モラハラによる洗脳は、被害者の心に深刻な傷を残し、自信を奪います
自分の価値を低く感じさせられたり、過度に自己否定的になったりするため、被害者は自己主張ができなくなり、加害者の支配下に従うことが日常となります
また、被害者は加害者の指示に従わないといけないという意識を持つことで、自分自身の意志や感情を抑圧し、常に加害者の顔色をうかがうようになります
こうした心理的な影響は長期にわたり、場合によっては被害者が周囲に助けを求めることさえもできなくなります
「どうせ誰も助けてくれない」「自分が悪いからこうなっている」という思い込みが生まれ、孤立してしまうためです
この結果、ますます加害者への依存が強まり、状況が悪化していくのです
モラハラの具体的な行動例
モラハラにはさまざまな形がありますが、以下に代表的なものを挙げます
1. 無視や冷たい態度
加害者は被害者に対して無視をし続け、意図的に冷たい態度を取ります
これにより、被害者は自分が存在を認められていないと感じ、疎外感や孤立感を覚えます
2. 自尊心を傷つける発言
「どうせできない」「お前なんかに無理だ」など、相手の能力や人格を否定する言葉を頻繁に投げかけます
これによって、被害者は自己評価を下げられ、自信を失います
3. 悪意のある皮肉や嘲笑
加害者は、皮肉や嘲笑を通じて相手を傷つけます
例えば、被害者が成功しても「どうせ運が良かっただけだろう」などと軽視し、達成感を打ち消すような言動をします
4. 情報のコントロール
職場でのモラハラでは、意図的に情報を共有しないことで被害者を孤立させる手口もあります
これにより、被害者は不利な立場に追い込まれることが多くあります
モラハラがもたらす影響
モラハラは、被害者に深刻な影響を及ぼします
以下に、モラハラが被害者に与える具体的な影響を解説します
1. 精神的なストレス
モラハラに晒されることで、被害者は常に緊張状態に置かれるため、慢性的なストレスが蓄積します
その結果、うつ症状や不安障害、パニック障害などの精神的な病気にかかりやすくなります
2. 自尊心の低下
モラハラを受けることで、被害者は自分に対する評価が低くなり、自尊心が大きく傷つけられます
自己評価が下がることで、他者との関係に消極的になったり、新しいことに挑戦する気力を失ってしまうことが多いです
3. 身体的な症状
精神的なストレスは、身体的な症状にも影響を与えます
睡眠障害、胃痛、頭痛、食欲不振などが挙げられ、放っておくと慢性化して日常生活に支障をきたすようになります
4. 社会的な孤立
モラハラが続くと、被害者は他者との信頼関係を築きにくくなり、孤立を深めることがあります
周囲に相談しても理解を得られないことが多く、誰にも頼ることができなくなると、ますます孤独感が増します
モラハラへの対策
モラハラ被害に遭った場合、被害者としてはどのように対処すれば良いのでしょうか
以下に、具体的な対策を紹介します
1. 境界線を引く
モラハラ加害者との関係において、境界線を設けることが重要です
職場での関係であれば、業務に必要なコミュニケーション以外は最小限に留め、できるだけ距離を保つように心がけましょう
2. 周囲に相談する
モラハラ被害を一人で抱え込まず、信頼できる上司や同僚に相談することが重要です
職場の相談窓口やカウンセラーに話をすることで、適切なサポートを受けられることもあります
3. 証拠を集める
モラハラを受けている場合、その証拠を集めておくことが大切です
メールやメモ、会話の録音など、相手の言動を記録しておき、必要なときに提示できるようにしておくと、対策を講じやすくなります
4. 専門家に相談する
モラハラが精神的に深刻な影響を与える場合、心理カウンセラーや弁護士に相談するのも一つの方法です
専門家の支援を受けることで、精神的な安定を取り戻したり、法的な対処ができる可能性もあります
モラハラは発見しにくい
モラハラの巧妙なところは、第三者からみても発見しにくいところです
モラハラは、他人が見ていない状況、密室で行われたり、
DVのような強い暴力が無い場合が多く、傷跡などの痕跡が残らないためです
あくまで精神的な暴力であることが多いです
また、
加害者は世間体が非常に良く、
第三者からみて、被害者が悪いように演出します
加害者の演出によって、
被害者の親、友人が加害者の味方になっていきます
被害者の親、友人が加害者の味方をするようになり、被害者は孤独します
また、そういう状況を作りやすいタイプの人、孤立させやすいタイプの人を被害者(ターゲット)に選びます
加害者が親ならば、親に従うしかない子供をターゲットにします
自分の意見を強く他人に主張できないタイプの人を、奥さんや夫、恋人にします
仕事では部下や同僚の中から、自分の意見を強く他人に主張できない人をターゲットに選びます
例えば、「自己肯定感」が低い人を被害者に選びます
自己肯定感が低いと、物事の判断を他人にゆだねやすく、
自分自信を大事にしない傾向があります
逆に自己肯定感が高すぎると「威張る」などよくない性格が形成されますが、
どうやら日本の教育では、自己肯定感が低くなる傾向にあります
加害者にとっては、とても好都合な環境です
そして同時に、ここに、
モラハラがみつかりにくい理由がありそうです
まとめ
あなたは、相手より一歩引く「謙虚さ」と、前に出れない「弱さ」を混同していたり、
「自己主張」「意見」すると、相手に迷惑がかかると勝手に思い込んでいませんか?
相手より一歩引こうとしたり、相手に迷惑がかからないように配慮しようとするのは、
礼儀正しくあろうとする、空気をよもうとする日本人の美徳ではありますが、
それらを行うには、
礼儀を深く知り、相手をよく知るスキルが必要であり、
簡単には手出しできない、
とても難しい技術であるということを
ご存知無いのかと思います