うまく根性が鍛えられません。なぜうまくいかないのでしょうか。

投稿者: | 2021/11/24

メンタルを病んでしまう場合などに、心無いかたからよく言われてしまうのが「あなたは根性がないからメンタルを病む」というものです。
メンタルについては、根性で片づけられればよいかというと、そんなに単純ではありません。

私は些細なことで泣きやすかったり、イライラしたり、物事がうまくいかないとつらくなります。

親から『根性が足りないからだ』と、根性を鍛えるよう言われました。
親の言う通りに感情を我慢したり、耐える訓練をやりました。

以前より感情を抑えたり、耐えることはできましたが、全く心のつらさが消えません。
寝る前にすごく泣きたくなる気分がして、さびしいです。
自分らしい気持ちが出せずに、日に日にさびしくなります。

根性を鍛えても、なぜうまくいかないのでしょうか。
根性とは何でしょうか?
鍛え方が足りないから負の感情をなくせないのでしょうか?
根性で心がもっと強くなれますか?
強い根性を持つ人に憧れます。

 

>親から『根性が足りないからだ』と、根性を鍛えるよう言われました。

親御さんは、少しモラハラ気質ですね。
親御さんはおそらく、根性で色々と乗り切ってきたかたなのだと思います。
どのように目の前の問題を解決していくかは、人それぞれ合っているやり方があり、得意なやり方をみつけていく必要があります。

何でも根性で乗り切れる、誰にでも当てはまると思っているような親御さんには、
メンタル面の繊細な話、複雑な話は理解されない可能性が高いので、親御さんとメンタル面の話はしない方が良さそうです。
親御さんにとってご相談者さんの状態は、
自分の子どもが「うつ」とかよくわからないものに負けている、と解釈し、詳しくは理解したくない気持ちもあると思うので、有益なアドバイスも得られないかと思います。

つらいことがあった場合にまずは、心の応急手当てを、試してみるとよいかと思います。
▶ 自分で心を手当する方法【NYの人気セラピストによる科学的応急手当】

>親の言う通りに感情を我慢したり、耐える訓練をやりました。
>根性を鍛えても、なぜうまくいかないのでしょうか。

今は、長い年月をかけてつらい感情を我慢してきた結果、些細なことで泣きやすかったり、イライラしたり、物事がうまくいかないとつらくなったりするメンタルになりました。我慢するのは逆効果です。

「以前より感情を抑えたり、耐えることはできた」とのことですが、
「全く心のつらさが消えない」「寝る前にすごく泣きたくなる気分がして、さびしい」というところから、
感情を抑えたり耐えられるようになったというわけではなく、問題の先送りをしているようです。
問題を先送りにすることで、ストレスをより大きなストレスに育ててしまっています。

そして、専門家の指導無しに「耐えること」が訓練になるとは限りませんのでやめましょう。
風邪をひいている時に、寒い環境に居続けるようなものです。
まずは、風邪をひかない環境で風邪を治してから、訓練します。

>鍛え方が足りないから負の感情をなくせないのでしょうか?

負の感情が生じる理由、原因についてはいろいろとあります。
考え方の問題もありますし、育ってきた環境、親の教育も影響します。

痛いことをされたら痛みを感じるのは当然のことで、
同様に、嫌なことをされたりつらい経験をすれば、負の感情が湧くのはおかしなことではありません。
そして、つらい経験をした後に、都合よく負の感情だけをなくすことができるという事の方が、不自然な事です。

>根性で心がもっと強くなれますか?
>強い根性を持つ人に憧れます。

『根性』がどのようなものなのか、『心が強い』というのはどういうことなのか、よくお考え下さい。
『強いこと』と『何も感じないこと』は違います。

また、根性を鍛えればつらさや痛みなどを感じなくなるというわけではありません。
ストレスに強くなるためにはストレス耐性「レジリエンス」を鍛える必要があります。

▶イラスト版 子どものレジリエンス: 元気、しなやか、へこたれない心を育てる56のワーク

>根性とは何でしょうか?

『根性の正体は何でしょうか』という話だけでも、いろいろと考えることができます。

相談者さんの言う「根性がある人」は、おそらく「根性があるように見える人」です。
そのかたは、果たして、鍛えたことで「根性がある」という状態になったのでしょうか。

鍛えたかたもいるかもしれませんが、相談者さんのあこがれる「根性のある人」は、おそらく、たまたま根性があるように見える人になったのではないでしょうか。
そもそも、「根性」というものは、鍛えて強くなるものであるという保証もありません。
周りの人たちの言葉によって、鍛えたら根性を強くできそうに思ってしまっているので、事実を確認するようにしましょう。

根性に似たものとして、「体力」があります。

長距離マラソンの選手は、根性がありそうに見えます。
事実として、長距離走ることができます。
この状態を私たちは、「長距離走れる体力がある」と表現しています。

体力も根性も目に見えないものですが、
マラソン選手については、一般の人よりも体力があるので長距離を速く走れます。

根性を鍛えたのではなく、トレーナーの指示のもと、研究されたトレーニングをしていくことで、長距離走れる身体に作りかえていった結果、長距離走れるようになりました。
根性を鍛えたのではなく、筋肉や血管など身体を鍛えたので、長距離を速く走れるようになりました。

これをもし、他のマラソン選手をみて「根性がある」と思い、根性を鍛えればいいのだと思っていたら、速く長距離走ることはできず、マラソン選手にはなれなかったと思います。

現代では、誰でもネットが使えます。わからないことを調べると、情報が出てきます。
ネット上には誰でも情報を公開できますので、正しい情報もあれば、間違った情報もあります。
なるべく、正しそうな情報にたどり着ける訓練が必要かと思います。
親御さんの言葉に従うのではなく、ご自身で『根性』がどういったものなのか、しっかり調べてから向き合いましょう。

 

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