重たい生理、PMS(月経前症候群)の改善には、
野菜で言えばほうれん草が大切ですが、野菜から摂れる量だけでは不足します
今回ご紹介したい栄養素は、野菜の栄養素についてではないです
PMSの改善に必要な栄養「マグネシウム」について解説します
PMSと重たい生理の症状改善に必要な栄養素
PMSとは、月経が始まる1~2週間前に起こる身体的・精神的な症状を指します
一般的には、腹痛、頭痛、胸の張り、イライラ、うつ状態、疲労感などが挙げられ、女性の生活に大きな影響を与えます
重たい生理は、過剰な出血や強い痛みを伴い、日常生活を制限してしまうことも少なくありません
身体的な症状 | イライラや不安感 |
・腹痛や頭痛 ・胸の張り ・手足のむくみ ・疲労感 ・精神的な症状 |
・抑うつ感 ・集中力の低下 ・情緒不安定 |
◆PMSの症状とマグネシウムの関係
PMSの症状を軽減するためには、PMSに備えた栄養摂取が不可欠です
これらの症状は、ホルモンバランスの変化によるものですが、その影響を受けやすいのが神経系や筋肉です
マグネシウムは、この神経伝達や筋肉の動きに大きく関与しています
マグネシウムが不足すると、神経が過度に興奮しやすくなり、筋肉の緊張も強まるため、痛みや不快感が増大します
また、マグネシウムは、精神的な安定にも寄与します
PMSは不安感やイライラといった症状に効果があり、マグネシウム不足がこれらの悪化に繋がることがわかっています
そのため、マグネシウムをしっかりと摂取することで、PMSや重たい生理の際の精神的・身体的な症状を緩和することが期待できます
・「ほうれん草」だけでは不十分?
多くの健康情報で、ほうれん草などの緑黄色野菜がPMSの改善に有効とされています
PMSの緩和の為に紹介される野菜として、鉄分が豊富なほうれん草が有名です
ほうれん草は鉄分やビタミン類が豊富なため、貧血予防に効果的です
しかし、PMSや重たい生理に直接効果がある栄養素は、鉄分だけではありません
むしろ、身体のさまざまな機能を調整するミネラルの一つ、「マグネシウム」が大きな役割を果たします
マグネシウムが不足している場合、PMSや生理痛の悪化に繋がることが指摘されています
マグネシウムは、神経の興奮を抑える作用があり、筋肉の収縮やリラックスに深く関与しています
PMSや生理痛のような身体的症状、さらには精神的なストレスや不安の軽減にも繋がるため、鉄分やほかの栄養素だけではなく、マグネシウムの摂取が重要です
◆マグネシウムの基本的な役割
マグネシウムは、人体にとって欠かせないミネラルの一つであり、約300種類以上の酵素反応に関わる重要な役割を持っています
マグネシウムは、カルシウムやカリウムなどと同様に「電解質」の一種です
電解質とは、体内で電気を伝える働きを持つイオン化されたミネラルのことで、細胞や組織の間での情報伝達やエネルギー供給において重要な役割を果たします
このミネラルは、筋肉や神経の機能、エネルギーの生成、骨の健康などに広く関与しています
PMS(月経前症候群)や生理痛など、女性特有の健康問題の緩和に効果があるとされ、多くの研究がその有効性を支持しています
特に筋肉の収縮やリラックス、神経の興奮を抑えるために必要です
心臓や筋肉が正常に機能するためには、カルシウムとマグネシウムのバランスが必要です
カルシウムは筋肉を収縮させる働きがあり、マグネシウムはそれをリラックスさせる働きがあります
このバランスが崩れると、筋肉の痙攣や不整脈などが生じる可能性があります
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マグネシウムが不足すると
マグネシウムが不足すると、さまざまな健康問題が引き起こされます
代表的な症状としては、以下のようなものが挙げられます
・筋肉のけいれんや痙攣
マグネシウムが不足すると、筋肉が正常にリラックスできず、けいれんや痙攣が起こりやすくなります
足がつりやすい等
・疲労感
エネルギー生成に必要なマグネシウムが不足すると、慢性的な疲労感が出やすくなります
頭痛等
・神経過敏
神経の過度な興奮を抑える働きが弱まるため、不安やイライラが増しやすくなります
不眠や浅い眠り等
・不整脈
心筋も筋肉の一種であり、マグネシウムの不足が不整脈の原因となることがあります
これらの症状が現れた場合、マグネシウム不足が関与している可能性が高いため、食事やサプリメントでの補給が必要です
1日の摂取量の上限
通常の食品からのマグネシウムの1日の摂取量には、特に制限はありません
サプリなど通常の食品以外からの場合、
成人で1日に350㎎です
小児の場合は体重1㎏あたり5㎎で計算します
過剰摂取した場合、通常は尿から排出されます
腎機能が低下している場合には、高マグネシウム血症が生じやすくなり
体調が悪くなる場合があります
マグネシウム≠塩
「=」ではありません
「≠」です
「マグネシウム」という名前から、「塩(マグネシウム塩)」を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実際にはまったく異なるものです
塩はナトリウムと塩素から成る「塩化ナトリウム」が主成分で、料理や保存料として使用されます
一方、マグネシウムはミネラルであり、塩分とは異なる役割を持っています
塩が体内の水分バランスを調整するのに対し、マグネシウムは細胞内外のイオンバランスを保ち、酵素の働きを助けるのが主な役割です
特に神経伝達やエネルギー生成において、マグネシウムが不可欠な要素であることが、塩とは全く異なる理由です
食塩にマグネシウムは、含まれない事が多いです
食塩はその名の通り、料理に使うために精製された塩で、精製の過程で他のミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)が取り除かれることが一般的です
一部の「海塩」や「岩塩」など、精製度の低い塩には微量のマグネシウムや他のミネラルが含まれることもありますが、それでも含まれている量は非常に少ないため、食塩や一般的な調味料から十分なマグネシウムを摂取するのは難しいです
マグネシウムをしっかり摂取するには、食塩ではなく、ナッツ、種子、葉物野菜、豆類、全粒穀物などの食品、またはサプリメントを利用するのが効果的です
◆どうやってマグネシウムを摂取すべきか
マグネシウムは、日常の食事から摂取することが可能です
具体的には、以下の食品に豊富に含まれています
魚 | 白身魚(鱈や平目)、カツオ、いりこ(煮干し)、アジ、いわし、鯖、貝 |
野菜 | ほうれん草、ケール、オクラ |
ナッツ類 | アーモンドやカシューナッツ、ヒマワリの種、かぼちゃの種 |
豆類 | 大豆、黒豆、エダマメ、レンズ豆、黒ゴマ、高野豆腐 |
全粒穀物 | 玄米やオートミール、全粒パン、蕎麦 |
海藻類 | わかめ、昆布、ひじき、もずく |
他 | ダークチョコレート(カカオ含有量が70%以上のもの) |
ただし、現代の食生活ではマグネシウムが不足しがちであることが多いため、サプリメントを使って補うことも検討する価値があります
特に、PMSや生理痛の症状が強い人や、ストレスが多い人にはサプリメントが効果的です
マグネシウムサプリメントの選び方
市販されているマグネシウムサプリメントにはいくつかの種類があります
中でも、体内で吸収されやすい形態のものを選ぶことが大切です
以下は、一般的なマグネシウムサプリメントの種類です
マグネシウムグリシネート:最も吸収率が高いとされ、特に不安感やストレスに効果的
マグネシウムシトレート:便秘解消にも効果的で、腸内での吸収が良い
マグネシウムオキシド:安価で手に入りやすいが、吸収率は他の形態に比べてやや劣る
それぞれの体質やニーズに合わせて選ぶことが推奨されますが、初めて摂取する場合は、少量から始め、体調を見ながら調整することが重要です